『世界は時折、嘘をつく』
  世界は時折、嘘をつく  
 
 16.世界は時折、嘘をつく

 ひとみは放心状態で、壁にもたれかかって
いた。自慢の長い黒髪も汗とホコリにまみれ
くしゃくしゃである。

 異常に汗をかいた津田が、
「どうだい、ケツでイッちまった気分は?」
 いやらしい笑みで囁きかけても、遠く虚ろ
な眼で男を一瞥するだけで、窓の外へ視線を
向けた。

「まあ、お嬢ちゃんには少し刺激が強すぎた
かもしれないな。尻の穴をペロペロされたり
指を突っ込んでかき回されたりするなんて、
まさか考えもしないもんな」
 ソファーで経済新聞を読んでいた桑原が、
株価情報を目で追いながら、まるで他人事の
ように呟いた。

 と、手持ちぶさたで宙に向け銃を撃つ真似
ばかりをしていた田中が、
「ところで、こいつら兄弟をここに閉じ込め
てから丸一日経ちますけど、まだサツの方は
大丈夫ですかね?」
 急に不安そうな表情をする。

「心配するな、ちゃんと手は討ってある」
 桑原は自信たっぷりにほほ笑み、また新聞
に目を戻した。

「桑原さんがそう言うんだったら、安心なん
ですが…。じゃあ、この子はもっと痛めつけ
ていいんですよね」
 桑原の顔色を覗いながら、田中はひとみの
方へ歩いていく。

 半分呆れた顔をしながらも、
「まぁ、嬢ちゃんが壊れない程度に楽しむん
だったら、好きにしろ」
 桑原は、ひとみに対する更なる凌辱を2人
に許可した。

 それを聞き、津田も品のない笑みを浮かべ
ながら、ひとみに近づいていく。

 少女は一時の放心状態から解き放たれ、眼
をギラギラさせてじりじりと迫りくる男たち
の姿に、大きく眼を見開き後すざりをする。

「!」
 叫ぶ間もなく、簡単にひとみは2人の男に
床の上で組み伏せられた。

 田中が少女の痛々しいくらい白いうなじに
どす黒い舌を這わせながら、
「さて、今度は何をしょうか?」
 嬉しそうに囁いた。

          @ 

「お前ばっかり気持ちいいのもズルイからさ
今度は俺たちもいい気持ちにさせてくれよ」
 津田は抗うひとみを膝の上に乗せ、シャツ
ごしに成長途上の乳房を揉みしだきながら、
理不尽な要求をする。

 ひとみの足元に屈みこみ、その可愛い足の
指をしゃぶっていた田中も、
「そうだな。せっかくだし、ひとみにはもう
少しがんばってもらうか」
 少女の心などお構いなしに勝手に同意し、
部屋の隅にハンディカムを取りに行った。

「わたしが一体あなた達に何をしたの?」
 ひとみがその凛とした太い眉をくっと歪め
問いかけるも、何の答も返ってはこない。

 何も聞こえない素振りで津田はひとみの
前にすっと立つと、澄ました顔で汚いズボン
とシャツ脱ぎだし、ブリーフ一枚になった。
「もう分かるよな――」
 津田の脂肪まみれの醜いブヨブヨの体が、
笑うたび波打つように揺れる。

「あっ、心配しなくていい。いきなり処女を
奪ったりしないから。たださ、ひとみが俺ら
を少〜し気持ちよくしてくれればいいんだ」
 津田は自分の股間を、ゆっくりとひとみの
顔に近付けていった。
 汗とアンモニアが混じった独特の臭気が、
鼻腔を刺激して痛い…。
 男の求めているものが分かればこそ、少女
は脅えた顔でまた後すざりした。

 ハンディカムを構えた田中が、
「一度やってるのを知ってんだよ。大人しく
そいつの大事な物をペロペロする姿を見せて
くれや」
 ひとみの背後にまわり、素早くその退路を
塞いだ。

 眉間にシワを寄せ、露骨に嫌悪感に満ちた
顔でうつむくひとみの手を掴み、津田は自分
の股間に持っていく。
 生暖かくじめじめした感覚が、小さな手の
ひらに伝わってきて、ひとみは生ゴミを直に
触っているくらいの不快感に包まれた。

 津田は顔中を汗だくにして、
「そんな嫌そうな顔をするなよ」
 うすら笑いを浮かべ、強く掴んだひとみの
手で膨れた股間をブリーフごしに擦りだす。

 陽射しをハンディカムのレンズが反射して
眩しい。

 ひとみの手の中で、ムクムクとそれは大き
くなり硬度を増していき、瞬く間に小さな手
には余るほど見事に勃起した。

「さて、お前に大人の立派なペ○スってやつ
を見せてやるよ」
 そう言いながら、津田は薄汚れたブリーフ
を一気に膝までずり下ろした。

「っ!」
 ひとみは思わず目を伏せた。あまりに醜悪
なその物体は、とても12才の少女の正視に
に耐え得るものではなかったからだ。
 昨日ひとみが、不本意ながらも口内奉仕を
した康太のモノとは、明らかに形状の異なる
異型の物体。縮れた淫毛に包まれ、蛇の鎌首
のような頭を天に向かいそそり立たせた黒い
肉棒は、少女の眼には世界で最も醜い物体に
映った。

 しかし男たちには、ひとみの苦悶に満ちた
表情など関係ない。
「手でシコシコするんだよ」
 津田は少女の手で、自分の肉棒を容赦なく
ゆっくりとしごき始めた。
 肉茎にまとわりついた細い指が前後に動く
たび、男の顔から何とも云えない恍惚とした
笑みが洩れる。

「ううッ、く、口を開けろよ――」
 何かに急かされるように、津田は己の肉棒
をひとみの口にグッと押し込んだ。

「グ、むンンッ…」
 突然に口に挿入された醜い異物に、ひとみ
は吐き出すこともままならず、こみあげくる
嘔吐感を必死に堪えるしかなかった。
 口いっぱいに頬張った異物のため、満足な
呼吸さえも困難なひとみの頭を両手で掴み、
男はペ○スの抜き出しを繰り返す。

 ペチャッ、ピチャッ、チュプッ……

 唾液にまみれ鈍く光る肉棒がひとみの幼い
口を通過するたび、淫らで湿った水音が奏で
られた。

「歯なんか立てたらぶっ殺すからな!」
 あまりに軽く脅迫めいた言葉を吐く男を、
ひとみは大粒の涙を浮かべた射すような眼で
くっと睨んだ。

「いいな〜俺もしゃぶって欲しいな」
 ハンディカムのファインダーごしに、田中
が心から羨ましそうに呟く。

 ジュプッ、ピチャッ、ピチャッ…

「…ンッ…う―ッ」
 津田はひとみの喉の奥まで容赦なく肉棒を
押し込もうと、より激しく腰を前後させてい
った。

 やがて、
「くっ、口の中に出すからな」
 その幼い口の中で、男の狂い歪んだ欲望も
ついに最高潮に達しようとしていた。

「うッう―――……むああぁ―――ッッ」
 体を弓なりに大きく反らし、男はひとみの
口に白い欲望の残骸を思いきりぶちまけた。

 少女の口腔で小さく痙攣する男のペ○ス。

 カタッ…

 とその時、口の端から白濁した液体をツ―
と垂らしたひとみが、何者の到来をいち早く
察知し、場違いな安堵の笑みを浮かべた。

 入り口のドアが激しく開く。

          @

 鳴海幸太郎は、壊れかけの錆びたドアノブ
をぐいっと捻り、足で蹴り破るようにドアを
押し開けた。

 そこには、2人のチンピラ風の男に挟まれ
泣き顔で微笑むひとみの姿があった。奥の方
のソファーには、もう一人男がいるようだ。

 幸太郎は、このひとみと康太の2人を自分
兄弟のように可愛がっていた。それは無論、
アパートの隣に住む「大家さんの家の子供」
と云うこともあるが、何よりも2人の明るく
純粋な無邪気さは、一人っ子で兄弟のない彼
にとって、何よりもいとおしい存在だった。
 姉のひとみは、小学生にしては随分と大人
びた面長の顔をし、その太く凛とした眉毛は
しっかりした意志の強さを表していた。
 でも、長い黒髪を後ろで一つに束ね、弟と
本気で追いかけっこをしているやんちゃな姿
は、大人しそうな外見に似合わない男まさり
の性格のようで、妙に微笑ましくもあった。

 そして弟の康太は、髪は短く利発そうな顔
をした少し恥ずかしがり屋の少年だった。
 わりと長身の幸太郎に、どうすれば身長が
伸びるのかと、まるで内緒話でもするように
真剣に相談してくるその姿は、笑いたくなる
くらい可愛らしくて、本当の弟を見るような
目で康太のことを見ていた。

 そんな2人がある日突然、行方不明になり
やっとその行方が掴めたと思ったら、こんな
汚いビルの一室で見知らぬ男たちに囲まれて
異常な辱めを受けている。

 幸太郎はすぐにひとみの元に駆け寄った。
「ひとみちゃん、ごめんね遅くなって」
「――よかった来てくれて…ずっと、ずっと
待ってたんだよ」
 ひとみの大きな眼から、止め度なく大粒の
涙がこぼれる。12才の少女が必死に耐えて
きた恐怖と悲しみが、幸太郎の胸に顔を埋め
泣きじゃくることで、雪のようにふっと解け
ていった。

「もう大丈夫だから、僕が来たからもう安心
して」
 幸太郎は自分の胸の中で、声を震わし泣き
じゃくるひとみの頭を優しく撫で続けた。

 と、不穏な空気が2人を包み込んだ。
「あの、俺たちを無視しないでくれるかな」
 幸太郎の前に、全裸の醜く太った男が立ち
はだかった。津田である。

「誰だか知んねぇ〜けど、俺たち楽しいこと
してるんだよね。邪魔すんじゃねぇ――よ」
 痩せて眼鏡をかけた男が、片手の持った棒
で思いきり殴りかかってくる。
 幸太郎はすぐに、バックステップでそれを
かわした。

「お前らは、自分たちが一体何をやってるの
か分かってるのか」
 怒りに身を震わし幸太郎が叫んだ瞬間、

 ―――激しい衝撃が彼の頭を襲った。
 生温かいぬるぬるした液体が、額から溢れ
滴ってくる。
 天地が逆さまになったように部屋がぐるり
と回転し、頭から床に叩きつけられた。
 何が突然起こったのか、幸太郎自身もよく
分からないまま、痺れたように自由な感覚を
失った頭を、誰かが繰り返し踏みつける。

 暗闇に呑み込まれようとする意識の中で、
「……バカ……所詮ただの素人がヤクザに…
…こいつ…何かの役には……警察の方…も」
 男たちの嘲けるような声が聞こえた。

「ひとみには……これを飲ませ……まだ利用
鈴木の始末も…面倒なことは…信じてた奴が
これじゃ―……所詮大人は嘘つき……まるで
信じてた世界がお前を裏切って……」

 完全に意識が遠のく前に幸太郎は、ひとみ
が男たちにカプセル状の薬を飲まされるのを
見たような気がした。

「や、やめろ…その手を離せ…」
 深い逃れようのない暗闇に、幸太郎は呑み
込まれていった。

 


    目次     

恥辱小説の部屋

動画 アダルト動画 ライブチャット