『世界は時折、嘘をつく』
      既視感      
 
 8.既視感

 彩香はなす術もなく、2人の幼なじみを見
つめていた。
 半ズボンを足首まで下ろし、白いブリーフ
で立ち尽くす康太。
 その足元には堅く瞳を閉じ膝まづく、姉の
ひとみ。
 鈴木という男によれば、これから2人は
「フェラチオ」という事をするのだと言う。
 でもなぜそんな恥ずかしい事を2人がやる
必要あるのか、それは11才の理解を遥かに
越えていた。

          @

 ビデオカメラの赤いパイロットランプ。

 下半身ブリーフ一枚の姿で康太は甘い快楽
の中にいた。姉の震える手が自分の股間を掠
めるたびに体中を激しい電流が駆け抜ける、
こんな感覚を少年は今までに味わったことが
なかった。

 やがてひとみは鈴木の催促で、おずおずと
ブリーフの両端に手を掛けるとそれを静かに
引き下ろした。
「キャッ」
 傍らで彩香が小さく悲鳴をあげる。

 見事に勃起した状態で露出した性器を見て
鈴木は嘲笑するようにわざと大声で言った、
「おぉ〜なんだ康太はまだ皮被りかぁ〜〜?
でもよかったな、姉ちゃんにペロペロ嘗めて
もらえば剥けるかもしれねぇもんな」
 なるほど康太の性器は大人のものとは違い
完全に勃起していても、殆ど皮を被った状態
である。大人の親指ほどの大きさしかなく、
グロテスクと言うより愛らしさえ感じさせる
それは、ひとみの目の前で小さな痙攣を繰り
返していた。

「おい、ひとみ!目を開けろよ」
 野次る声でひとみは静かに目を開ける。
 現れた物体に一瞬戸惑いを見せたが決して
顔は背けなかった。

「さっ、そいつを舌で嘗めるだよ」
 決意を固めておずおずと舌先を、その幼く
ともペ○スと呼ばれるものに伸ばす。
 しかし、鈴木が康太の肩を掴み一歩後ろに
下がらせたために、それは僅かに届かない。
「おい、もう少し舌を長〜くスケベに伸ばさ
ないと、康太の可愛い奴には届かないぜ」
 そんな嘲笑する鈴木をキッと睨みながらも
言われるまま、その短い舌をもう一度ペ○ス
に伸ばした。
「・・ぅ・・・」
 舌先が触れた瞬間、康太から声にならない
吐息が漏れる。

 ちょろ、ちょろ・・ペチャ・・ちょろ・・
 産まれたてのヘビの子のように忙しくその
赤い舌がペ○スに触れるたび、康太は背すじ
をピクッと小さくのけぞらせた。

        @

 ひとみは例え勃起していても、康太のペ○
スに対し何の嫌悪感も抱かなかった。それは
幼いころ一緒にお風呂に入ったとき目にした
そのままだったからだ。
 だから、ビデオカメラを構えた鈴木の
「ひとみ!今度はそいつをお前の口でくわえ
るんだよ〜」
という恥ずかしい要求にも、あえて従おうと
思った。

「お、お姉ちゃん・・・ごめん」
そう言う康太の言葉に小さく首を振りペ○ス
に唇を寄せ、そっと口に含んだ。 
 それは大人の親指大とは言え、12才の小
さな口には十分過ぎるものに感じられた。

「ほら〜、口の中でも舌をペロペロ動かすん
だよ」
 ひとみは鈴木の言葉に今は逆らわないこと
を決めた。

 ・・・ちゅ・・くちゅ・・くちゅ・・ちゅ
 それは少女が思う以上に大きく淫らな音と
して静かな部屋に響いた。

 吐息も荒く恍惚の表情さえ浮かべる康太を
満足気に眺めながら、鈴木の指示は続く。

「・・・赤ん坊がオッパイ吸うようにチュウ
チュウするんだよ・・・」
「・・ほ〜ら、もっと手でしごいてやれよ」
「・・・玉の方もペロペロしねぇ〜とな」

 全ては彩香を守るためだと、鈴木の理不尽
な要求を黙々とこなし続ける。

 ひとみは自らの奏でる湿った淫らな音と、
康太の熱い吐息の中で、突然ある異変に気づ
いた。
 同じくそれを見つけ、微笑む鈴木の視線の
先には・・・彩香がいた。

        @ 

 激しい2つの視線を感じ彩香は思わず目を
伏せ、そして何でもないという素振りで笑っ
てみせる。
 しかし誰の目から見てもその様子は、普通
ではなかった。

 顔面蒼白で額には脂汗を滲ませ、落ち着き
なく首を左右に小刻みに振ったり、赤いスカ
ートに包まれた太股をモジモジと擦り合わせ
ている姿を、ひとみは以前どこかで見たこと
がある気がした。それは・・・

『・・お願いだからトイレに行かせて・・』

 それはまさに昨日、この部屋に閉じ込めら
れた自分の姿だった。

「あ、あなた、彩ちゃんに何を飲ませたの」
 慌ててペ○スから口を離し、鈴木を激しく
問いただす。
「おい、あんまり人聞きの悪いこと言うなよ
別に変な薬なんて飲ませてないぜ。たださ、
薬局で中国茶を買ったから、そいつをお前達
にも御馳走してやっただけじゃねーか」
 それは尿道結石などで尿の出が悪い患者の
ための、利尿効果に優れた漢方茶だった。

「あ、あの・・おトイレに・・行かせ・・」
 2人の言い争いを遮り、彩香は顔を赤らめ
恥ずかしそうに尋ねた。

 しかし返ってきた答えは、少女のわずかな
期待を裏切り極めて残酷なものだった。

「彩香ちゃん残念だね、君はここでオシッコ
をするんだよ」

 あまりのことに彩香は言葉を失った。
「えっ、あっ」

 まるで小動物を痛めつけるように、残酷な
提案は繰り返される。
「いいかい、彩香ちゃんは俺たちの目の前で
オシッコをしなきゃいけないんだ」

 すぐにひとみは、彩香を守るように鈴木の
前に両手を広げて立ち塞がり、
「約束が違うじゃない!私が言うこと聞けば
彩ちゃんには何にもしないって、あれは全部
嘘だったの?」
激しく非難した。

「嘘じゃないさ、別に彩香ちゃんに無理やり
エッチなことをしろなんて俺は一言も言って
ないぜ。ただ俺は小便くらい我慢しろって、
それができないんじゃ仕方ない、ここでする
んだねって教えてやってんだよ」

「あなた絶対、頭おかしい・・・もういいよ
さぁ早く、彩ちゃんトイレに行こう」
 ひとみは強引に彩香の手をとり、トイレに
向かおうとして、肝心なこと思い出した。
「おっ、思い出してくれたかい?あのトイレ
の映像は何と!この部屋で生中継されてるん
だよね〜」
 否応なく昨日の忌まわしい記憶が甦る。

「でもひとみなら、彩香ちゃんを助けられる
かもしれないぜ」
 その言葉に何の期待も出来ないことを、誰
よりひとみ自身がよく知っていた。

 


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