『世界は時折、嘘をつく』
    深淵を覗く者    
 
 7.深淵を覗く者

 薄暗い蛍光灯の明かりの下、少女はその錆
び付いたドアノブに手をかけることを、躊躇
していた。
 自宅に掛かってきた1本の電話で、突然
少女はこんな見知らぬ場所に呼び出された。
「ぁ・・松田?お、俺・・康太だけど・・」
 それは同級生の藤原康太からであった。
 昨夜から康太が姉のひとみと共に行方不明
になってるという連絡はその少女、松田彩香
にも当然入っていた。
「康太、康太君なのね!無事なの?・・・今
ど、どこのいるの?」
 康太の姉のひとみと彩香の兄の剛も同じ年
で家も近所ということで、藤原家と松田家は
4人が幼い頃から、家族ぐるみの付き合いを
してきた。言わば幼なじみでずっと同じ保育
園、幼稚園、小学校に通い、周りから見れば
まさに仲の良い4人兄弟であった。
 そんな兄弟のように思う康太が、突然今に
も死にそうな声で電話を掛けてきた。
「・・・巻き込まれて・・るんだ。どう・・
しても松田の助けが・・・」
 その妙によそよそしい口調が何故かとても
気になった。
 それに小さい頃から康太には、彩香としか
呼ばれたことないのに、今の電話では松田と
呼んでいる。何かおかしい・・・彩香の心の
中に得体の知れない黒い闇が広がった。
    
          @

「松田が来てくれれば・・僕もお姉ちゃんも
・・た、助かるんだ」
 何か釈然としないものを感じながらも彩香
は電話で指示されたビルに駆けつけ、錆び付
いたこのドアノブの前に立っていた。
 しかし彩香にはもうこれ以上躊躇している
余裕はなかった。(このドアの向こうでは
きっと康太君とひとみちゃんが縄で縛られ、
悪い奴に蹴られたり殴られたりしてるんだ、
それを助けてあげられるのは私しかいない)
 そんな優しい気持ちで胸を熱くして彩香は
そっとドアノブに手をかけ、向こう側に力強
く押し開けた。

 それは彩香にとって全く思いがけない
光景だった。
「ぅ・・ハァ・・・や・・放して・・・」
 知らない男にTシャツの裾から両手を突っ
込まれ、胸を揉み砕かれているひとみがそこ
にいた。          

         @

 それは彩香が到着するわずか5分前のこと
だった。 
 まだ痛みの残る尻を気遣いながら、ひとみ
は康太と並んでソファーに座り、彩香のこと
を待っていた。
 そして、ほんの少し油断をした隙を狙い、
鈴木はひとみを抱えあげ自分の膝の上に乗せ
てしまった。

「ちょっと・・や、やめて、下ろして・・」
 突然のことに驚き、何とかその硬い膝の上
から逃れようとするひとみの耳元に、鈴木は
何か小声で囁いた。
 その途端ひとみは一切の抵抗をやめ、唇を
キュッと噛みしめて在らぬ方向を睨んだまま
動かなくなった。
「ひとみはやっぱり素直で優しい子だよなぁ
ずっと素直でいてくれれば、気持ちいいだけ
してやんだけどな・・」
 そう言いながら鈴木は、無抵抗のひとみの
Tシャツの裾から手を無造作に差し入れると
下着さえ着けていないその幼い胸を、優しく
揉みしだき始めた。

「ぅ・・ハァ・・・や・・放して・・」
 我慢しなければと頭では分かっていても、
嫌悪感だけはどうしようもなく、必死で体を
くねらせてその淫らな手から逃れようと抗う
ひとみの前で突然入り口のドアが開き、今で
は懐かしくさえ感じる幼なじみの彩香の姿が
現れた。

 ひとみはすぐに鈴木の腕を振りほどくと、
彩香のもとに駆け寄った。
「彩ちゃん・・・」
「ひとみちゃん大丈夫?怪我なんかしてない
よね・・・本当に無事でよかった」
 2人はまるで今見た恥態はなかったことと
無視するように再会を心から喜びあった。
 しかし康太はじっとうつむいたまま、その
再会の輪に入れずにいた。
「康太君も何ともない?酷いことなんてされ
なかった?」
 そんな優しい彩香の言葉にも、康太はその
目を見てうまく返事ができなかった。

 再会を喜ぶ2人を嘲笑するように鈴木は、
「さぁ〜これで役者は揃ったな。今どき何処
探してもこれだけ可愛い女の子たちの出てる
ビデオはないもんな。きっと・・あいつ・・
喜ん・・高く・・そうだ・・」
と言い、無視された自分の存在を誇示した。
 しかし、子供たちには後半の1人言だけが
よく聞こえなかった。
「せっかく俺たちの新しい仲間になったんだ
彩香ちゃん、自己紹介でもしてくれや」
 そう言うと鈴木は傍らからビデオカメラを
取り出した。
「えっ・・何で私がそんなことしなきゃいけ
ないの。私が此処にきたんだから、康太君も
ひとみちゃんも連れて帰っていいでしょ?」
 あまりに突然の鈴木の提案に戸惑いつつも
震える心を抑え、彩香は精一杯の強がりを見
せた。
「おい〜彩香ちゃん、大人をそんなになめて
もらっちゃ困んだよねぇ〜。何のために康太
がお前を呼び出したと思ってるんだ?それは
彩香ちゃんと楽しいことをするためだよぉ、
なぁ〜康太!」
 しかし康太は無言でうつむいたまま彩香を
見ようとはしない。
 代わりにひとみが顔を赤らめながら答えた
「さ、さっき言ったでしょう・・私があなた
の言うことを聞けば、彩ちゃんには絶対に何
にもしないって・・・だから・・」
 ひとみはさっき鈴木の膝の上に乗せられた
ときに耳元で囁かれた言葉を、いま思い出し
ていた。

『・・ひとみ〜あんまり俺を困らせんなよ、
もしこのまま俺の言うことを聞いてくれたら
彩香には何にもしねぇ〜んだけどなぁ・・』
 その言葉を信じてひとみは鈴木の膝の上で
じっと恥辱に耐えていたのだ。

「だから何だよ?えっ、ひとみは彩香ちゃん
のために今度こそ俺の言うことを何でも聞い
てくれるのか?」
 鈴木は試すように尋ねた。
「・・・」
 ひとみは頬を赤らめたまま、無言で渋々
小さく頷いた。

        @

「さぁ〜ひとみ、何からやろうかな」
 鈴木はうすら笑いを浮かべ、ひとみの顔に
ビデオカメラを近づける。接続された壁際の
TVにひとみの脅えた顔がアップになった。

「そぉ〜だなぁ〜・・・昨日はオナニーを
教えたから、今日はフェラチオなんかいい
じゃないか?」
 最初の言葉に敏感に反応して慌てて否定
しようとするひとみを払い退けて、鈴木は
満足気な微笑みを浮かべた。
 フェラチオ、ひとみを除いた2人の子供
たちは全くその言葉に反応しなかったが、
ひとみだけは激しく動揺した。
 もう12才であるひとみは、母親の買っ
てくる女性週刊誌をこっそり盗み読みする
ことが時々あった。そしてその中に度々
その言葉は登場した。
 最初はよく分からなかったが、或る日
「男性のアレを女性が口でくわえること」
という意味を知った時、ひとみは体中から
火が出るほどの恥ずかしさに包まれた。

 そして今、鈴木はそれを私にやれと言う
ひとみはこのまま自分が深く暗い穴の中に
墜ちていくような感覚に捕らわれた。 

「なんだぁ〜ひとみイヤなのか?じゃぁ〜
やっぱり彩香ちゃんに何かやってもらおうか
な〜・・・えっ、もしかしてお前勘違いして
んじゃねぇ〜か、物事にはまず練習が必要だ
からそれをやれって言ってんだよ・・・そこ
にいい練習相手がいるだろう」
 鈴木はそう言って呆然としている康太に
視線を移した。しかし急に指名された康太は
ただ困惑した表情を浮かべることしかできな
かった。

 捕らえた獲物をいたぶるように鈴木は、
仕方なく2人の子供に淫らな「その言葉」の
説明を始めた。
「康太、喜べよぉ〜ひとみがお前のチ○ポを
ペロペロなめて、気持ちよくしてくれるらし
いぜ。あぁ〜羨ましいなぁ、早く俺もやりた
いな。彩香ちゃんもよ〜〜く見て勉強するん
だよ」
 そんな説明を聞いても金縛りに会ったよう
に、幼い2人は何の反応も返すことはできな
かった。
 しかしただ1人、ひとみだけは何か決意に
満ちた表情をしていた。

         @

「さぁ〜〜ひとみ、まずはズボンの上から
優しくマッサージをしてあげるんだ」

 ひとみは膝まづき中腰で、言われるまま
立ち尽くす康太の股間の前に座っていた。
 しばらく躊躇していたひとみであったが
意を決したように、震える手をおずおずと
ズボンのチャックの部分にのばし、そっと
それを撫でた。
「・・ぅ・・」
 康太の口から微かな吐息が洩れる。

 2度、3度そっと撫でるたびにひとみの手
にもその幼い勃起が確かに感じ取れた。

 ただ1人だけ取り残され、状況が今一つ
飲み込めない彩香は、突然の出来事と部屋の
暑さで喉の乾きを感じていた。それを見透か
したように鈴木は紙コップに入ったお茶を差
し出し、彩香もためらうことなくそれを一気
に飲み干した。

 鈴木は静かに微笑んだ。

 


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