『世界は時折、嘘をつく』
   もう一人の少女    
 
 6.もう一人の少女

 藤原家の人々は眠れぬ朝を迎えていた。

 昨日の昼間に忽然と消えた二人の子供、
ひとみと康太の行方は、長い夜が明け今朝に
なっても全く掴めないままだった。
 もちろん事件性も考えて警察への連絡は
昨夜済ませた。しかしいくらアパート経営を
しているからと言っても藤原家は、特に周り
と比べて裕福で資産家の家庭というわけでは
なく、ひとみの父親の雅弘にしても小さな
出版社に勤めるただのサラリーマンで、簡単
に1、2千万の身代金を用意できるほど高収
入でもない。だから多額の身代金目的の誘拐
というのはあまり考えられなかった。
 では藤原家に恨みを持つ者の怨恨による
犯行という見方も、ご近所付き合いも何ら
問題なく、会社では万年平社員の雅弘に恨み
持つ奇特な人間などもいそうもなかった。
 あとは人違いで連れ去られたのか、もっと
悪意に満ちた何か別の目的があるのか誰にも
判らなかった。

 藤原家の隣に建つ「あけぼの荘」の住人
鳴海幸太郎も、昨日2人がいなくなった時に
迅速に探そうとしなかったことに激しい責任
と後悔を感じ、昨夜から街中を死にモノ狂い
で駆け回り2人の行方を探していた。
 しかしこの即席探偵にも全く手がかりの
ない今の状況では、消えた2人の足取りは全
く掴めぬままだった。

          @

 そのころ2人の子供たちはまだ覚めない
悪夢の中にいた。
 ひとみはチェック柄のスカートを腰の辺り
まで持ち上げ、小さく震えながら純白の下着
に包まれたお尻を鈴木と康太の眼前に晒して
いた。

「ひとみは悪い子だよなぁ〜。俺との約束は
守れないし嘘つきだもんな、やっぱりそんな
奴にはお仕置きをしなぇ〜とな!」
 昨日、罰ゲームを拒もうとしたことに勝手
に因縁をつけ、鈴木はひとみをさらに辱める
ことを考えていた。
「そのままじっとしてろよ」
 そう言い終わらぬうちに鈴木は、日焼けさ
えしてないひとみの小さな尻を思いきり平手
打ちした。

 パッシィィ〜〜〜ン!
「い、痛い」
 激しい痛みと共に倒れこみ小さく唇を震わ
すひとみに全く躊躇する様子もなく、鈴木は
更なる追い打ちの言葉をかけた。

「おい、おいまだ1発目だぜ、お楽しみは
まだこれからなんだから早く立てよ!」
 鋭く睨み返すひとみにさも楽しそうに
微笑み返して、なおも鈴木は倒れてめくれ
上がった白い下着ごしの尻を平手打ちした。

 バッシィィ〜〜ン!
「もう痛い・・・やめてよ」
 歯を食いしばりよろよろと何とか立ち
上がったひとみに向かい、
「なんだまたタメ口か、最近の小学生は
敬語ってものを知らねぇのか?」
 そう言うと鈴木はそのスカートをめくり
上げ、また痛みの消えぬ赤く染まった尻を
再び平手打ちした。
  
 ひとみは激しい音と痛みで再度倒れそう
になるのを必死に堪え、しかし屈服の姿勢
は微塵も見せず鈴木を真っ直ぐ睨み返した。
「おっ、その目いいなぁ。そんな目をしてる
奴はもっと苛めたくなるんだよな」
 鈴木は心の底から満足そうに呟いた。

         @

 どれくらいの時間だったのだろう?弟の
康太にとって目を覆いたくなるほどの姉、
ひとみに対する激しい加虐がいま終わった。
 最後まで頑なに反抗的な態度を崩さなかっ
たひとみは、床に丸くうずくまり恥ずかしさ
と痛みの中で声を押し殺して泣いている。

「さてと・・・」
 まるで床の上のひとみを無視するように、
鈴木は康太に話しかけ始めた。 
「お前の姉ちゃんもいいんだけどさ、もっと
他の子とも楽しいことをしたいんだよねぇ〜
康太、誰か紹介してくんないかな?」
 あまりの言葉に口ごもる康太の前に鈴木は
1枚の写真を差し出した。その瞬間康太の顔
色がさっと変わった。
「返せよ、返せったら・・・もうお願い・・
返してよ」
 必死で取り返そうとする康太の頭上で、
おちょくるように鈴木は何度もその写真を
ヒラヒラさせた。
「もしかしてお前この子のこと好きなのか?
そうだよな、でなきゃ定期入れの中にこんな
写真入ってるわけないもんな」
 鈴木は康太が寝ている間にそのポケット
から定期入れを盗み、中から1枚の興味深い
写真を見つけていた。
 それは学校の一日遠足のスナップ写真で、
おどけた表情の康太とそれを笑って見ている
痩せて小柄な少女、同じクラスの松田彩香が
仲よく写っていた。

 何か良くない予感を感じ写真を取り返そう
と必死に食いさがる康太に、鈴木はあまりに
残酷な提案をした。
「俺さぁ〜今度この子とエッチなことしたい
なぁ。だってさぁ、まだお前と同じ年だろ?
それに好きな子がさ、目の前でエッチなこと
されんのってどんな気分なんだろうな」
 康太の周りで一瞬全ての時間が止まった。
 それは小学5年生の頭には全く理解不能な
変質的な悪魔の姦計でしかなかった。
 と同時に、姉がされたような恥辱を彩香も
されるのだとしたら見てみたいという、秘め
たる欲求が幼い心に芽生えたのもまた事実で
あった。もちろん康太はそれを己の性欲と、
きちんと自覚できるほど大人ではない。
 ただ少年の幼く勃起したペ○スだけが全て
を物語っていた。

         @

「ぁ・・松田?お、俺・・康太だけど・・・
い、今とっても・・・た、大変なことに・・
巻き込まれて・・るんだ・・どう・・しても
松田の助けが・・・」
 康太は汗まみれの震える手で携帯電話を握り
しめ、彩香に誘いの電話を掛けていた。
 傍らでは鈴木がひとみの首を締め上げ、康太
が余計な事を漏らさぬように威嚇をしている。

「そ、そうなんだ・・・松田が来てくれれば
俺もお姉ちゃんも・・た、助かるんだ・・・」
 康太としてもひとみが盾にされていなければ
同級生の、しかも1番大切に思っている友達を
巧みに騙して悪事に巻き込むような電話など、
掛けるはずもなかった。

 間もなく康太は電話を終え、半ば放心状態の
ままソファーに倒れ込むように腰を掛けた。
「康太、よくやった!これでまた楽しい仲間が
1人増えたな。まぁ御褒美としてお前にも何か
いいことさせてやっから、楽しみにしてろや」
 康太はもう何も聞きたくなかった。これで
また1つ自分は鈴木の悪事に加担してしまった
ことになり、その重圧は11才の少年には余り
にも重すぎるものだった。

 ひとみと康太、2人の子供はいまだ覚めない
悪夢の中にいた。

 


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