第六話 福沢由紀子の巻(第二部)
第一章 由紀子・痴態
第一章 由紀子・痴態 九月に入って三週間が過ぎたというのに、外はまだ夏の名残を惜しむかのように暑い日が続いていた。 やっと授業が終わった。由紀子は平静を装いつつ教科書類を鞄にしまい込んだ。 由紀子がやって来たのは、最近開店したばかりのスーパーマーケットだった。
区立池上中学校二年C組の教室では、最後の時限の英語の授業が行われていた。残暑の強い日差しが差し込む教室に、女生徒の教科書を朗読する声が穏やかに響いている。まだ夏休みボケが抜けきっていないのか、ボーっと遠くを眺めている者や、睡魔と格闘してウトウトしている者もいたが、静かな教室の中では結構みんな真面目に授業を受けているように見えた。
あと五分.....。
福沢由紀子は壁に掛かっている時計を見て呟いた。
一応教科書に目を落としてはいるものの、目は虚ろで心ここにあらずという感じだ。もちろん授業の内容などまるで頭の中に入っていない。
夏休みのある日、由紀子は家に帰る途中で道を尋ねられた男を駅まで案内する事になった。ところがその途中、近道をするために通った草原で男に襲われ、必死の抵抗も空しくレイプされてしまったのだ。
両親が旅行中だったため、バレずに済んだのは不幸中の幸いだったが、大切なバージンをレイプという形で踏みにじられた由紀子のショックは大きく、ベッドに入っても無残に犯されている自分の姿が脳裏から離れなかった。
ところが身体の奥が火のように疼き、由紀子は後ろめたさを感じながらも自慰に耽ってしまったのだ。
それ以来、レイプされた時のことが一日中頭から離れず、下腹部の奥が毎日のように熱く疼いた。それを鎮めるため由紀子は頻繁にオナニーに耽るようになってしまった。
早く終わって...。でないと、あたし.....。
淫らな妄想と必死に戦いながら、由紀子は祈るような気持ちで時計を見つめた。
何回授業に集中しようと気を取り直しても、すぐにいやらしい妄想が頭に浮かんできてしまう。
もう一度、あの太いものがあたしの中に入ってきたら.....
その時由紀子は、花弁の奥から熱い液体が滲み出るのを感じた。
ここのところクラスメイトの何人かが由紀子の態度がおかしいのを噂している事に、由紀子自身気付いていた。
『由紀子何だか綺麗になった気がしない?すごく大人っぽくなっちゃって、彼でも出来たのかな』
『でもそれにしてはおかしいよ、何か元気無いみたいだし』
『だけど休み時間なんかは私たちと普通にお喋りしてるよ』
『でも授業中なんかボーッとしちゃって、目が虚ろなのよ』
もし自分がレイプされた事を知られたら.....。
由紀子はその時は死のうとさえ思っていた。友達の噂を打ち消すため、休み時間になると友達の輪の中に積極的に加わり、明るく振る舞うように努めていた。でも授業時間になると、どうしてもいやらしい妄想が頭の中を支配してしまうのだ。
由紀子は数人の女生徒にさよならを告げると教室を後にした。本当は、走って帰りたいほど花芯がジンジンと疼いていた。しかし変な目で見られないように、はやる気持ちを抑え、普通に歩くように努めた。
校門を出てしばらく歩いた後、由紀子は立ち止まり辺りを見回した。そして同じ学校の生徒がいない事を確認すると、一目散に駆け出した。
この『ダイセン石川町店』は、スーパーマーケットといっても四階まである、かなり大きいものである。由紀子はここのトイレに立ち寄り、オナニーをするのがここ最近の日課になってしまっていた。
女子トイレは三階にあり、由紀子は四室あるうち一番奥にある洋式トイレをいつも使用していた。
幸い他にトイレに入っている人はいないようだ。由紀子は狭い密室に入り、鍵をかけるとセーラー服のスカートをたくし上げた。
ベージュのビキニパンティの中心部に、花芯から溢れ出る愛蜜が大きな染みをつくっており、恥毛がうっすらと透けて見えるほどだ。
こんなになっちゃって.....あたしの身体どうしちゃったんだろう。
由紀子は色情狂みたいになってしまった自分の身体が恨めしくてならなかった。しかしこの性欲を処理してやらないと気が変になりそうだった。
恥丘をうっすらと飾っている繊毛が、愛液を吸い縮こまっている。左手でセーラ
ー服の上から胸の膨らみをさすりながら、右手で内股をスーッと撫で上げて行く。
「あっ...はぁっ...」
可愛らしい唇から溜め息が漏れた。細い指で淫裂を押し広げると、花弁から溢れ出た蜜液がトロリと零れ出る。
ヌルヌルになっている花びらを擦り上げると、甘く痺れるような感覚が下半身に広がっていく。
「あっ、ああっ.....」
由紀子はセーラー服の裾から左手を差し入れ、ふくよかな胸乳をこねるように揉みしだいた。同時に右手人差し指と小指で花肉を広げたまま、中指で花裂上部中央に顔を覗かせているクリトリスを円を描くように撫で回す。
「あぅっ...あはぁっ」
甘美な電流が下腹部から身体中に広がり、由紀子は大声を出しそうになるのを必死に堪えた。
「ああっ...い、いやっ...許して...」
由紀子は、また男に犯されている時の事を思い浮かべていた。大きく脚を広げられ、恥ずかしい部分を舌で舐め回された時に感じた、甘美な疼きが下腹部に蘇ってくる。
由紀子は脚を更に大きく開き、腰を浮かせて花びらを更に激しく摩擦する。蜜壺からは粘り気のある花汁がとめどなく溢れ出し、指の動きに合わせてクチュクチュと淫らな音をたてている。
「いやっ....あっあっあっ.....」
頭の中が真っ白になり、下腹部にキューン突き上げるような快感がこみ上げる。
「ああっ...い、いくッ」
思わず大声を出しそうになり、由紀子は慌てて口を抑えた。
「あああぁ....!」
抑えた口の間から引き絞るような嬌声を吹きこぼし、由紀子は全身を震えわななかせながら、オルガスムスに達した。
興奮が徐々に覚め、正常に思考する能力が戻って来た。由紀子は一つ大きくため息をつくと、備えつけのトイレットペーパーで濡れそぼった股間を拭い、鞄から新しいパンティを取り出して穿き代えた。
以前はオナニーをすると性欲はスッキリ解消され、勉強にも身が入ったものだが、今は何となく虚しさが残り、またすぐにオナニーをしたくなってしまう。
由紀子は今日はあまり家に帰りたくなかった、というのは父は仕事で出張、母は親戚の出産の手伝いで明日まで帰らないので、家には由紀子一人になってしまうからだ。
家に帰ったらまたきっとオナニーをしてしまう、誰にも見られないのは良いが、由紀子はそんな淫らな自分がたまらなく嫌だった。
またゲームセンターにでも.....
由紀子は最近、よくゲームセンターに出入りするようになっていた。ゲームに集中している時だけははしたない妄想をしなくて済むのだ。しかし使うお金も馬鹿にならないし、条例があって六時になったら帰らなくてはならないので、せいぜい二、三時間の時間潰しにしかならなかったが、少しでもあの妄想から逃れられればそれでも良かった。
由紀子はスーパーを出るとゲームセンターのある駅の繁華街の方へ足を向けた。
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