第五章 初めての指戯
雅子は目を覚ました。柔らかな陽光がカーテン越しに部屋の中に差し込んでいる。 自分の部屋だった。時計は九時半を指している。
「ウッ...」
ゆっくりと起きあがったとき下腹部に違和感があった。肉襞のヒリヒリするような痛みと、お尻に何か刺さっているような感覚。その時雅子の脳裏に、隆たちに受けた陵辱の記憶がまざまざと蘇った。
三人同時の責めが終わった後も、彼らは雅子を繰り返し犯し続けた。その間司がビデオテープを回し、陵辱される雅子の姿を撮影した。
雅子は既に抵抗する力もなく、涙も枯れ果てていた。まるで死人のように動かない雅子を男達は次々と犯した。
何度となく貫かれ感覚が麻痺してしまったせいか、痛みももはや感じなくなっていた。ただ下腹部が焼けるように熱かったのと、異物感があったのは覚えている。
「イヤッ.....」
雅子は頭を抱え、忌まわしい記憶を振り払おうと努めた。
何故自分はこんな目に合わなくてはならないのだろう。雅子は自分が女に生まれてきた事を呪いたかった。
気を取りなおし、ベッドから出ると、あの時の服装のままだった事に気付いた。ボタンのちぎれたブラウス、その下のブラジャーも刺繍に少し綻びが出来ている。スカートをたくし上げるとボロボロにされたパンストのままでその上からパンティを穿いていた。帰ってきてそのまま眠ってしまったらしい。
雅子は裸になると、破れた衣類をゴミ箱に捨て、浴室へシャワーを浴びに行った。
鏡で見ると、肌のあちこちに微かだかキスマークの後が残っている。雅子は男たちに付けられたそれを拭い去ろうとするかのように徹底的に身体を洗った。しかしどんなに隅々まで洗っても、辱められた身体の汚れは取る事は出来ない。一睡もしないで責め抜かれたのだ。心も身体もボロボロになっていた。
シャワーから出ると、テレビをつけ雅子は新しい洋服に着替えた。
テレビの放送で帰った日から二日が過ぎている事が分かった。雅子はまる一日以上眠り続けていたのだ。そう気が付くと途端に空腹感が蘇ってくる。雅子は台所へ行き、フレンチトーストを作った。
食べ終わって一息ついていると、玄関のチャイムが鳴った。
「坂本さーん、小包です」
郵便屋らしかった。雅子は印鑑を持ち玄関へ行った。
小包を受け取り、発送人の所を見た雅子はドキリとした。山本隆からだった。
雅子は部屋に戻り震える手で小包を開けた。また何かされるのではと思うと気が気でなかった。
中は一本のビデオテープ、それと手紙が入っていた。雅子は不安に駆られながら手紙を読んだ。
坂本さんへ
まず今回の事を謝りたい。本当に申し訳なかった。あんな目にあわせたのだから、謝ったところで許される事でないのは充分承知しているけれど。
今回の事は、この前坂本さんにフラれて落ち込んでいる所へ司と雄一が話を持ちかけてきたんだ。もちろん彼らに罪を押しつける気は毛頭ない。
彼らが僕が坂本さんにフラれた事を一発で言い当てたもんだからびっくりして聞いてみたら、彼らも坂本さんにフラれたと聞いて二重にびっくりした。雄一たちとは仲が良かったから、その話を聞いて僕も何だか、坂本さんの事が凄く腹立たしく思えてきて、それでつい話に乗ってしまったんだ。本当に済まなかった。
同封のテープは何が入っているか、分かると思う。それは坂本さんの方で処分して下さい。司から僕が預かると言って受け取った物です。
あのときの帰りに受け取ったから、複製された心配はない。安心して下さい。
最後にお願いがあります。そんな立場でないのは承知の上だけど。
あんな事をしたのだから、僕はもう覚悟は出来ているから警察に突き出されても構わないけど、司と雄一の事は見逃してやって欲しい。僕が同意しなければ、彼らも止めていたはずだから。武士の情けと思って聞き入れて欲しい。
山本 隆
|
読み終わって雅子は手紙をテープと一緒に箱に戻した。
特別何の感情も湧かなかった。書いてあるように今更謝られたところでどうしようもないほどの恥辱を受けたのだから。
しかし雅子はふと思った。では、自分はあの三人にどんな想いをさせたのか。
勇気を出して打ち明けてくれた好意を、自分はけんもほろろにあしらったのだ。幼いときのレイプ体験がそうさせたとは言え、彼らを一方的に悪者にしていいのだろうか。
不意に隆の顔が思い出された。冷静に考えれば、決して嫌いなタイプではなかった。入学したばかりの雅子に色々世話を焼いてくれたし、クラスの中も彼のおかげで楽しさに溢れていた。そんな彼の気持ちさえ、雅子ははねつけてしまったのだ。
隆の事を思い浮かべていた雅子の下腹部に、不意にジュンという熱い感覚が沸き起こった。
「イヤッ!」
雅子は頭を抱え、しゃがみこんだ。何かとてもいけない事のような、説明のつかないあの感覚.....。
ダメよ、ここで逃げたらまた同じだわ。
雅子は立ち上がると、意を決した眼差しでベッドの方を見つめた。ここで逃げたら、もう一生男性に愛という感情を抱く事は出来ないだろう。
雅子はベッドに寝転ぶとスカートをまくり上げ、おそるおそるパンティの中へ手を入れる。秘めやかな部分に触れた指先にヌルッとした感触があった。手をパンティの中から出し、指先についた粘液を確認する。
再び右手をパンティの中へ潜り込ませる雅子。膝を立て脚を遠慮がちに少し開く。左手がブラウスの上から胸に押し当てられ、徐々に力がこもっていく。
性に関する事を避けてきた雅子は自分を慰める事、つまりオナニーもまだした事がなかった。それでも女性の本能が雅子にその行為の方法を指導していた。
「あっ...」
胸の膨らみを押し揉みながら、パンティの中では細い指が神秘の谷間を這い、可憐な花びらをスッスッと撫でると、ジュンという感覚が下腹部から全身に広がっていく。無意識の内にブラウスのボタンを外し、裾から手をいれブラジャーをたくしあげる。そうしてじかに乳房に触れ円を描くように揉みしだいたり、愛らしい乳首をつまんで刺激する。
花弁が充血し、熱を帯びてくる。新たな蜜液が懇々と湧き出してきて行き交う指を濡らし始める。
「あっ、ああっ.....」
身体中に広がる甘美な波に、雅子の遠慮がちな甘い吐息がこぼれ出る。
腰を浮かせ、パンティを足首まで引き降ろすと、膝を立て、閉じていた両脚をおずおずと開く。昏々と湧き出る愛蜜を指に絡め既に硬くなっている肉芽を親指で擦り、他の指で秘芯を撫でまわす。
「ああっ...た、隆君ッ」
雅子は脳裏に浮かんだ隆の名を呼んでいた。隆も自分を辱めた一人、本来なら憎んで当たり前なのに、それどころか胸がキュンとして切ない気持ちになってしまうのだ。
「ああっ!い、いいっ、あああッ!」
子宮にキューンと熱い物がこみ上げ、雅子は突き上げた腰をピクピクと震わせる。生まれて初めて経験するオルガスムスだった。
|