第七話 藤谷和子の巻
第四章 捨てられたショックに売春を
第四章 捨てられたショックに売春を..... あの忌まわしい日から、一週間が過ぎた。 気が付くと和子は歓楽街を歩いていた。 案の定、和子が連れて行かれたのはラブホテルだった。 和子はそれ以来、時々売春をするようになった。それは男というものに幻滅した和子の復讐のようなものだった。
翌日は食事も喉を通らないほど落ち込んでいた和子も、少しだけ平静さを取り戻していた。
いつまでも落ち込んでいる姿を見せると親や友達にも心配をかけてしまう。そんな想いから、人前では努めて明るく振る舞うようにした。その事で少しはあの悪夢を忘れる事が出来た。
ただあれ以来、幸一から一向に連絡がない。その事だけが気がかりだった。何度も電話をしようと思ったが、何を言われるかと思うと恐かった。
しかしこのままでいる事にもう我慢も限界に来ていた。和子は学校から帰ると服を着替え、意を決して幸一の家に向かった。
幸一の家は和子の所から歩いて十五分ほどの、隣り町にある一軒家だ。デートは専ら外だったので、和子も二回くらいしか行った事がない。
えーと、確かこの辺だったと思ったけど....。
辺りを見回しながら歩いていると、十字路の左側から見覚えのある制服を来た男子が出てきた。幸一だった。
「こ.....」
声をかけようとした和子だが、ハッとして言葉を呑み込んだ。幸一のすぐ後にブレザー姿の女の子が続いて出て来たからだ。髪は三編みにしていて背は和子より少し小さいくらいだろうか。
和子は電柱の陰に隠れながら後をつけていると、二人が話す声が聞こえてきた。
「ここだよ」
幸一が立ち止まって左手の家を指さした。
「何か夢みたいです。先輩が家に誘ってくれるなんて」
女の子が幸一の方を向き、顔が見えた。童顔で、アイドルの奥名恵に似た可愛い感じの子だった。幸一を先輩と呼ぶから一年生のようだが、幼い顔立ちと裏腹にブラウスの下の胸の膨らみがかなり目立っている。
「実は前から君の事が気になっていたんだ」
「嬉しいです。あたしも入学したときから先輩の事.....」
どうして、幸一君.....?。
和子は信じられない思いで二人の会話に耳をそばだてる。
「あっ、でも.....」
「何だい?」
「こんな事言っていいのかな。その...先輩付き合ってる人がいるって噂を聞いた事があって...」
「彼女とは別れる事にしたんだ」
聞こえてきた思いもよらぬ言葉に、和子はハンマーで頭を殴られた気がした。
「僕は女の子にとって一番最初の男でありたいんだ。でも彼女は違うんだ」
「それってバージンじゃなかったって言う事ですか?」
女の子は複雑な顔つきだった。今時そんな事を言うなんてという感じである。
「うん、だから香奈ちゃんももし違うのなら.....」
「あ、あたしまだバージンです」
少女は慌てて否定した。このチャンスを逃してなるものかというように幸一の腕にしがみついた。
「香奈ちゃん、いつかそれを僕にプレゼントしてくれる?」
「先輩が.....望むのなら.....」
少女は恥ずかしそうに俯くと、幸一の胸に顔を埋めた。
まだ夕方だったが、早くも派手なネオン看板が灯を付け、店員が呼び込みをやっているところもある。どうやってこんな所まできたのか覚えていない。
結局、幸一君はあたし自身よりも、あたしのバージンが目当てだったんだ。あの男たちみたいに欲望だけであたしを求めていたんだ。
今の和子には全てが虚ろに見えた。
「お姉ちゃん、お姉ちゃん」
和子が声のした方に視線を向けると、背広を着たサラリーマンらしい男がニヤニヤした顔で手招きしている。年齢は四十過ぎくらいだろう。頭のてっぺんが禿上がっていて、腹がデップリとしている。典型的な中年男だ。こんな時間から少し酒が入っているのか顔がほんのりと赤い。
「そう、あんただよ。どうだい、おじさんといい事して遊ばないかい?お小遣いは弾むよ」
和子はボンヤリとした目で男を見た。
この男もそうだわ。下心見え見えじゃない。男なんてみんなそうなんだわ。
そんな事すらもう今ではどうでも良かった。
「よしよし、じゃあ早速行こうか」
無言のまま傍らに寄り添った和子の肩を抱くと、男はタクシーを止めた。
そうよ、どうせもう汚された身体なんだもの、どうにでもすればいいわ。
和子は思った。
六畳ほどの室内にオーソドックスなダブルベッド、鏡台、そして二人がけのソファが置かれている。作りはかなり古いらしく、ところどころ壁が黒ずんでいる。ベッドは綺麗に整えられているものの、古めかしさは否めない。最近になって作られた郊外にあるようなラブホテルは、女性の好みに合うような洗練された内装のシティホテルと見まごう部屋が少なくないが、ここは昔ながらのホテルという感じでそれっぽい雰囲気がプンプン漂う。 「お小遣い、先に渡しといた方がいいだろ」
男は背広の内ポケットから財布を取り出すと、三万円を和子に差し出した。
和子は黙って受け取り、スカートのポケットに押し込んだ。
「さて、早速始めさせて貰うとするか」
「あっ!」
男はいきなり和子をベッドに押し倒すと、覆い被さってきた。
「んっ.....」
タラコのような唇が押し付けられ、和子は呻いた。酒と煙草の入り交じった匂いの息にむせかえりそうになる。ナメクジのような舌が侵入して来て口腔の中で暴れ回る。
男は更に耳たぶから首筋をねちっこく舐め回しながら、Tシャツをまくり上げ、ブラジャーの上から胸の膨らみをさすり始める。
ブラジャーのホックが外され、カップがたくし上げられると、はち切れんばかりの双乳が現れる。
「うーん、やはり若い子はいい。このミルクみたいな匂いが堪えられん」
男は滑らかな肌からたち昇る甘い香りに嬉しそうに言うと、端でツンと上向いている乳首を口に含み、舌をそよがせる。更に手ですくい上げヤワヤワと揉みしだく。
乳房への愛戯を続けながら男は手を更に下へ伸ばした。ムチムチした太腿をサワサワと撫でさすった後、パンティの布が二重になっている部分に小刻みに指を使う。
「うっ...あ.....」
好きでもない男とは言え、敏感な乳首と秘所を同時に責められ、和子は小さく呻いた。下腹部にジュンと熱いものが込み上げて来るのが感じられた。
「何だか、固いねぇ、もっと声を出してもいいんだよ」
時々小さな呻き声を発するものの、まるで人形のように動かずされるがままの和子に、物足りなさそうに男が言う。
男はスカートをまくり上げ、パンティを引き下ろすと身体を移動させ、和子の脚を大きく開かせた。
「ほう、見事なもんだ」
成熟したたたずまいを見せるその部分へ顔を埋めると、指で花弁を押し開いた。顔を覗かせた透き通るようなピンクの秘肉は散々辱めを受けたとは思えないほど美しく輝いていた。
「ほう、綺麗なピンク色じゃないか」
男はピッタリと口を付け、その清らかな媚肉へ舌を差し伸べていく。
「アッ!」
和子は身体をピクリと震わせた。レイプされた時の舌の感触が脳裏に蘇った
「おお、感じるのか。よしよしそう来なくちゃ」
そうとは知らぬ男は肉唇や肉芽は無論、奥の秘肉にまで舌を差し入れ執拗に舐め回す。
「あっ...あっ...」
和子の唇から甘い呻きが断続的に洩れ始めた。くどい程の舌戯に甘い疼きが徐々に全身に広がり始める。醒めた心とは関係なく花裂は口を開き、透明な蜜液を分泌し始める。
「さて、そろそろ頂くか」
男はせわしなくズボンを降ろすと、太いソーセージのような陰茎を露出させ、和子の秘唇へ狙いを定めた。
「あううっ.....」
押し入ってきた肉棒に和子は顔をしかめ、身体を仰け反らせて呻いた。
レイプされた時、幾度も貫かれ路が出来たせいか、処女を奪われたときのような身を割かれるような痛みはなかった。代わりに痺れるような感覚と、処女を奪われた時は分からかった男の肉刀の感触が感じられた。
「おお、素晴らしい締まり具合だ」
男は気持ち良さそうに呻きながらゆっくりと腰を使い始めた。
激しく突き上げられ、たくし上げられたTシャツの下で、豊麗な乳房がプルプルと揺れる。腰を動かしながら男はそれに手を伸ばし、こね回すように揉んだ。
「うっ....ううっ.....」
痛みこそないものの、愛のないセックスに和子の身体が感じるはずもなかった。秘肉の中で暴れ回る男の感触をジッと耐えるだけだった
「何てこった。もうイキそうだ」
和子の肉路の強烈な締め付けに、男は早くも絶頂を告げる言葉を口にした。艶やかな太腿を抱え、ピッチを上げて激しく秘穴を突き上げる。
「おおっ....で、出るっ」
男は和子に覆い被さると放出を開始した。膣路の中で肉茎がピクピクと脈打ち、熱い迸りが子宮奥へと注ぎ込まれていく。
男は息を荒げながら、しばらく和子の上で射精の余韻に浸っていた。
やがて萎えきった肉塊が、どちらのものともつかない愛液と一緒に花裂からヌルリとこぼれ出た。
夕方くらいから歓楽街を歩き、声をかけてきた男に身体を売った。元々大人顔負けのプロポーションを持つ和子に声をかける男は後を断たなかった。そのほとんどが中年以上のサラリーマンで、たいがい多少酒が入っている事もあって、男たちは和子を中学生と疑う事なくその瑞々しい肉体を貧り、秘奥へ欲望をまき散らした。
経験を積んだ身体は徐々に性感に目覚めていったが、金と欲望だけのセックスに、めくるめくオーガズムがあるはずはなかった。あるのはほんの少しの快感と、射精されたときの充足感だけだった。
和子は汚れた股間をティッシュで拭うとベッドから起き上がった。その日の相手は三十過ぎくらいの男だった。
「なあ、あの辺をうろついてればまた会えるかな」
「ええ、そうね」
男の問いかけに、和子はパンティを引き上げながらぶっきらぼうに答えた。
「うっ.....」
突然胸の奥から何か熱い物が込み上げて来た。和子は口を抑え、慌てて洗面所に駆け込んだ。
「うっ.....ううっ.....」
「どうしたんだ、大丈夫か」
嘔吐している和子を見て、男は心配そうに背中をさすった。
「え、ええ.....大した事ないから気にしないで」
しかしその時和子は気付いていた。
ここ二ヶ月近く、生理が来ていないという事に。
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