『七世・ふたたび』自主規制版
     第一章     
 
第一章 性奴になる為に生まれてきた娘

第四話 証された秘密

「ヒイイーッ……見ないでッ……見ちゃ駄目ッ……」
 女の一番恥ずかしい部分を、自ら拡げた姿を七世に見られていたことを知って、恵子は、ソファから崩れ落ちるようにして蹲りながら叫んだ。
 娘にだけは知られたくなかった秘密……。いや、いずれ娘も自分と同じ運命をたどらなければならないと、諦めていたものの、小学生というあまりにも幼く、まだ性の知識もない娘に、まだ見られてはならない姿であった。
「フン、今更恥ずかしがっても始まるまい……それにしても大人の寝室を覗きにするなんて、いけない娘だな、七世……」
 庄司は泣き崩れる恵子を後目に、寝室の中へと引っ張り込まれた七世に、残酷な微笑みを浮かべながら言った。
「ああ……ち、違いますッ……ドアが、ドアが開いていたから……」
 まさか毎晩のように覗き見をしていたと言える訳はなく、七世は咄嗟に嘘をついてしまった。だが、それが嘘だと言うことは、わざとドアを開けていた庄司が一番よく判っている。そして、それを裏付けるように、
「フン、嘘を言っても駄目よ。貴女が毎晩のようにこっそりと降りてきて、夫婦の寝室を覗いていたことは知っているんだから……」
 後ろから抱き締めたままの茜が、意地悪く言った。
『あああッ……見られていたんだ……もう駄目ッ……』
 七世にとって鬼のような存在である茜に、今までのことを見られていたことを指摘された七世は、絶望に打ちひしがれた。
「ほう、嘘をつくとは、もっと悪い娘だな……どうやら七世ちゃんはお仕置きをされたいらしい」
 庄司の口からお仕置きという言葉が出ると、七世はビクッと体を震わせて、顔を俯かせてしまう。そして、その言葉に一番敏感に反応したのは恵子だった。
「ヒイッ……そ、その子は……七世は、まだ子供ですッ……お仕置きは……それだけは許してッ……」
 娘から顔を背けていた恵子だったが、途端に悲痛な声を上げ、庄司に縋りつくと必死に哀願した。
 七世は、お仕置きと言えばお尻を叩かれる事ぐらいだと思っているが、庄司が言うお仕置きの本当の意味を知っている恵子は、慌てふためいたのだ。
「ハハハ、子供だと? 体は子供でも、スケベな事だけは一人前らしいぞ……そうだろう、茜?」
 必死に哀願を続ける恵子に、庄司は笑いながら言った。そして尋ねられた茜も、
「フフフ、この親にしてこの子有りだわ……お母さんが虐められるのを見て、何をしていたと思う?……オナニーよ。ほら、この手を見て……」
 と、憎らしげに言うと、押さえつけていた手をズボンから出して、高らかに掲げた。
「あああッ……ご、ごめんなさいッ……」
 反論もできない証拠を暴露されて、七世は顔を真っ赤にするとつぶらな瞳から涙をこぼして泣き始めた。
「な、七世ちゃんッ……」
 声を上げたのは、母親の恵子の方であった。
 恥ずかしい液体にまみれた指先を見るまでもなく、はだけられた上着。腰までずり下がったズボン。そして何よりもパジャマのズボンにまで広がる濡れたシミが、七世の恥ずかしい行為を物語っていた。
「覗きをして、嘘をついて、そしてまだ小学生の女の子だというのに、恥ずかしいオナニーまでしていたと云うのか……七世、答えて見ろ……」
「あああッ……ご、ごめんなさいッ……」
 全てが事実なだけに、言い訳もできなくなった七世は、ただ涙ながらに謝るしかなかった。
「ハハハ、これでもお仕置きが必要ないというのか?……」
 庄司は、がっくりと首を項垂れた恵子に向かって勝ち誇ったように言った。
「あああ……そんな……」
 七世の恥ずかしい行為を知った恵子の落胆は酷かった。
 庄司に娘の居所をかぎつけられ、密かに会いに来た自分まで見つかってしまい、娘共々また庄司の元に捕らえられた今となっては、いずれ娘も性奴隷にされてしまうことは、判りきっていた。
 しかし、それでも七世は子供だと、必死にかばってきたのである。それが、淫らな性の悦びまで知っていたとなると、どうすることもできない。
「なあに、母親が虐められているところを見て、昂奮するような嫌らしい娘だ……すぐにお前のように、どんなに酷く嬲り者にされても感じてしまうマゾになるさ」
 庄司は縋りつく恵子を言いくるめるように言った。しかしそれは、まだ小学生の七世を、性奴隷として男の欲情を処理するためだけに虐待される人間以下の存在にする事を、宣言する言葉でもあった。


「おい、七世を素っ裸にして縛り上げろッ」
 庄司は、茜に残酷な命令をした。
「あああッ……ご免なさいッ……うううッ……もう悪いことはしないから……」
 ただ泣きじゃくるだけの七世は、母親のように縛られると知って、必死に謝った。しかし、冷酷な茜は、
「フフフ、もう遅いわ……貴女がどんな女の子なのか、思い知らせてあげる……」
 と言いながら、はだけたパジャマを脱がせていく。
「ああ、お願いッ……お仕置きは私が受けますからッ……どうか、七世だけはッ……」
 もう、どうすることもできないと知りつつも、恵子は必死に食い下がった。母親として、愛娘が奴隷に堕ちる姿を見ていることなどできなかったのだ。
「うるさいッ……お前にもお仕置きをしてやるから、黙っていろッ」
 しかし庄司は、そんな恵子を蹴り飛ばすと、自由だった手を縄で縛り、天井に吊り上げていく。
 爪先立ちに吊り上げられてしまった恵子は、もう娘を助けることもできなくなった。
「ああ、見ないで……恥ずかしいよッ……見ないでッ……」
 そして茜によってパジャマを脱がされ、しきりに恥ずかしがる七世は、母親の向かい側で細い手首を縛られると、同じように吊り上げられてしまう。
 小学生にしては背が高く、発育がよい様だが、その裸体は、抱き締めれば折れてしまうのではないかと思うほど細く、痛々しいまでに華奢であった。思春期に入って膨らみ始めた乳房も、痩せているからか気持ち程度の膨らみしかなく、両手を吊り上げられた形では、よけいに平たく膨らみとは呼べなくなっていた。
 しきりに脚を曲げて隠そうとする股間も、おびただしく溢れ出た愛液とは対象的に、その秘丘には一つまみ程の恥毛しかはえて無く、まだ幼女を思わせる深いワレメが、クッキリと見えていた。
 あの恥ずかしい露出服を着せられ、その股間を庄司に見られた七世では有ったが、ここまでの丸裸を晒すのは初めてであった。そして、それだけでも思春期に入って、異性に対しての羞恥心が最も顕著に現れる年頃の七世は、死にたいぐらいの恥ずかしさに見舞われていた。
「ハハハ、恥ずかしいか……だが、その恥ずかしい目に遭わされることが嬉しいんだろ?」
 母親の方を縛り終えた庄司が、羞恥に涙しながら恥ずかしがる七世を、ゆっくりと鑑賞すると、真っ赤になった顔を覗き込みながら言った。
 恥ずかしいのが嬉しい……。
 少女には理解のできないことを言われて、七世は羞恥に震えながらも困惑した顔で庄司を見上げた。
「お前はお母さんと同じように、恥ずかしいことをされたり、虐められたりするのが好きなマゾなんだよ……いや、マゾの素質が有るって言った方がいいかな……」
 七世がまだ性の知識がないことを良いことに、庄司は残酷に言い渡した。
 もちろん、七世は普通の女の子であった。しかし、自分のことをマゾの変態だと思いこませることが、まだ小学生の少女に、性奴隷として客を取るまでに調教する第一歩であったのだ。
「違うよッ……七世はマゾなんかじゃないもん……」
 恥ずかしいことをされるのが嬉しいなどと言われて、七世は必死に否定した。
 性の知識に乏しいとはいえ、マゾという言葉を知らない訳ではない。過激なコミックが横行する現代では、小学生でもSMぐらいの知識は有ったのだ。
「ほう、なら、どうしてそんなに濡らしている。お母さんが虐められて悦ぶところを見て、自分も虐めて欲しいと思いながらオナニーをしていたのだろう……」
 庄司は最も知られたくない秘密。自分も虐められることを想像しながら感じていたことを言い当ててしまった。
「あああッ、違うッ……七世は、お母さんのような変態じゃないもんッ……あッ……」
 七世は思わず叫んでしまった。そして、母を変態呼ばわりしたことに気付くと、慌てて言葉を飲み込んだ。
「ううッ……七世ちゃん……」
 娘に変態だと言われて、恵子はまた項垂れてしまう。
「ハハハ、そうだよ。お前の母親は変態だ……恥ずかしいことや痛いことをされて、虐められると感じてしまう変態だよ……そして、その娘のお前も同じだッ」
 庄司は母親の方など無視して、墓穴を掘った七世に変態の娘は変態だと、反論もできない事実を突きつけた。
「ああ、そんな……違うよッ、七世は……変態じゃないッ……」
 それでも七世は、涙を溢れさせながら、激しく首を振って叫んだ。
 覗き見てきた母の痴態。そしてそれを見てオナニーに耽ってしまう自分。それはどう考えても普通の親娘ではない事ぐらい、七世にも判っていた。判ってはいたが、面と向かって変態だと呼ばれて、七世はその事実を受けいることができなかったのだ。
「フフフ、それ程言うなら、調べてあげるわ……」
 今度は茜が、七世に残酷に言い寄った。
「そうだな、それならもっと恥ずかしい格好をして貰おう……普通の女の子なら、死にたくなるような格好をな……」
 庄司もそう言うと、七世の片方の膝に新たな縄を巻き付けた。そして、その縄尻を天井の滑車に通し、力を込めて引き上げにかかる。
「ヒッ……嫌ッ……嫌ああッ……」
 片脚が吊り上げられるに従って、七世が悲痛な声を上げる。しかし、小学生の少女の力では、とうてい大人の男に敵うわけがない。右脚の膝が腰よりも高くなると、後はだんだんと恥ずかしい股間を開いていく。
「ああッ……お願い、七世を……七世を許してあげてッ……」
 娘にまで罵倒されて滅入っていた恵子だが、娘の悲鳴を聞いては、黙ってはいられない。だか、庄司達の興味は新鮮な獲物に移っていた。
「ああ、駄目ッ……み、見ないでッ……」
 七世の願いも空しく、膝が胸よりも高くなると、少女の幼い股間は限界まで開ききり、おびただしい愛液を溢れさせるワレメさえも僅かに口を開け、まだ誰にも見せたことのない肉の構造を覗かせてしまった。
「フフフ、まだまだよ、もっと恥ずかしくしてあげる……」
 吊り上げられた少女の体を支えていた茜が、そう言うと、脚を吊り上げた縄を固定した庄司が、僅かに開いているワレメを両手で限界まで剥き拡げてしまう。
「ヒイイーッ……見ないでッ……嫌あああッ……」
 熱く疼いた粘膜に、ヒヤリとした外気が当たるのを感じると、七世はいっそう激しく泣き叫んだ。
 死にたくなるような恥ずかしさ……。まさに七世は死んでしまいたい気持ちになった。
「ほう、これは可愛いオ○ンコだな……花びらも小さいし、綺麗な色だ……」
 思春期を迎え、これから大人の体になろうとする少女の無垢な可憐さに、庄司は吸い寄せられるように覗き込んで言った。しかし、その嬉しそうな言葉が、茜を刺激する。
「フン、このションベン臭いところの何処がいいのかしら……ほら、こんなに垢を溜めて……臭いったら、ありゃしないよ……」
 と、庄司を押しのけてワレメを拡げると、薄い肉襞の間に溜まった白い恥垢を爪先で掻き出し、
「ほら、あんたのオ○ンコの臭いだよッ……」
 と言って、七世の鼻の下に擦りつけた。
「うあッ……うううッ……うあああッ……あああッ……」
 必死に顔を振っても、粘り着いた恥垢は鼻の下から離れてくれない。その酸っぱい腐った様な臭いと嘲りに、七世は、男の人に見られている恥ずかしさ以上のものを感じて泣いた。
「よしよし、それじゃ、お父さんが綺麗にしてやろう……」
 庄司は、ニヤリと笑いながら、棚の中から透明な液体の入った小瓶と、毛羽だった筆を取りだし、再び七世の足元に腰を下ろした。
「ヒイイーッ……」
 泣きじゃくっていた七世が、甲高い悲鳴を上げる。
 瓶に入った液体の媚薬に筆先を浸した庄司が、片手でワレメを拡げながら、その繊細な神経が散りばめられている可憐な花びらを擦り上げたのだ。
 脳天まで痺れるような快感に、突然襲われた七世は、それまでの恥ずかしさと屈辱感を忘れて、華奢な体を仰け反らせては悲鳴を上げたのだ。
「ヒッ……嫌あああッ……やめてッ……ヒイイーッ……」
 筆が敏感な粘膜を擦り上げるたびに、寝室の中に七世の悲鳴が響き渡った。いつもより大量の媚薬入りのジュースを飲まされ、今また、即効性の強烈媚薬を塗り付けたとはいえ、普段は大人しい七世が、驚くほどの激しい反応を見せる姿に、庄司は悦に入った様に責め立てる。
 オナニーでは、ワレメの内側をそっと撫でるしかできなかった七世。それでも充分な快感を得ていたのに、毛羽だった筆で擦られる刺激は強烈すぎた。
 しかし、そんな七世に、意地悪な茜は、
「まさか感じてるんじゃないでしょうね……女の子の一番恥ずかしい処を丸出しにされて、汚い処を掃除されていると云うのに、感じてしまう淫らな女を、なんて言うのかしら……」
 と、初めて知る官能の嵐にのたうつ七世を諌めた。
「あああッ……違うッ……ヒイイーッ……七世、変態じゃないッ……うあああッ……」
 恥ずかしい声を上げながらも、認めたくはない七世は、涙で嗚咽しながらも、必死に否定した。
「ああ、お願いッ……後生ですッ……七世は……七世だけはッ……」
 恵子は乳首とクリトリスの痛みよりも、心を引き裂かれる娘の悲鳴に、堪らず叫び続けていた。筆責めの恐ろしさ。そして小瓶の中の液体の正体を知っているだけに、これから愛娘が味合わなければならない地獄を知っていたのだ。
 しかし、どんなに叫んでも、庄司達は耳を貸そうとはしない。
「フフフ、こんなに乳首を硬くして、何が違うのかしら?……こんなに恥ずかしいのに感じるんだから、虐められても感じるでしょ……」
 茜は残酷に言うと、硬く勃起した乳首を捻り上げた。
「キャアアッ……痛いよッ……ヒイイーッ……」
 敏感な乳首を指先でゴリゴリと潰される痛みに、七世は絶叫を上げた。全てのことが判らなくなるほどの恥ずかしい快感に浸っていただけに、突然の激痛は強烈な衝撃だったのだ。
「おお、やはりマゾだ……痛いことをされるとオ○ンコをヒクつかせるぞ……凄いッ、本気汁まで溢れてきたぞ……」
 乳首を捻られるたびに、丸出しになった膣の小口が収縮し、そこから白く粘りのある愛液が溢れ出るのを見た庄司が、子供のように喜びながら言った。
「うぐぐッ……そんなッ……」
 新たに指摘された変態の証拠。
 だが、それは苦痛に身を強ばらせる為に、膣が収縮しただけの正常な反応にすぎなかったのだが、苦痛を覚えながらも、恥ずかしい快感はとどまることも無く、より鮮明に感じてしまうことが、少女の精神を崩壊させていった。
「フフフ、さあ白状しなさい。自分がどんな女の子かを……」
 そんな七世に、茜が告白を迫った。もちろん自分の口から変態のマゾだというと云うことを認めさせるためである。
「ヒイイー……あううッ……そんな、そんな……」
 強制された快感と激痛の同時攻撃に、七世の幼い意識は何も考えられなくなってしまう。だが、最後の羞恥心が、認めてしまうことを拒んでいた。
『フフフ、それなら狂わせてやるか……』
 恥ずかしさと恐怖に縮こまっていたクリトリスも、周りの敏感な粘膜を筆で擦られるに従い、すでに頭を覗かせるほど勃起している。
 まだ小学生だと思っていた七世が、充分、女の反応を示していることに満足した庄司は、今まで触れずにいた最も敏感なところへと、指を伸ばした。
「ああ、そこはッ……ヒッ、痛いッ……」
 今まで表皮に守られていたものを剥き上げられる痛みに、七世が悲鳴を上げた。しかし庄司はそんなことなどお構いなしに、
「ハハハ、ここも垢でいっぱいだ……どれ、綺麗にしてやるか……」
 と、クリトリスの根元に溜まった白い垢を認めると、そこへ筆を伸ばしていった。
 頭の中で何かがパチパチと爆ぜるような、強烈な感覚……。
 乳首を捻られる激痛さえも判らなくなるような快感に、しなやかな体を仰け反らせ、ガクガクと激しく震わせると、七世は恥も外聞もなく甲高い悲鳴を上げた。
「ほらいけッ……狂ってしまえッ……」
 庄司も、その敏感なクリトリスを集中的に責め立てた。
 七世は癇癪を起こしたような震えばかりか、その内腿の筋に痙攣まで走らせ、耐えられない刺激に泣き叫ぶと、
「あああッ……く、狂うッ……」
 と一言叫んで、か細い体を硬直させた。
 目も眩むような快感が頭の中で爆発して、真っ白になっていく……。
 硬直させた体をしばらく痙攣させると、七世はガックリと力無く吊り下がってしまった。
 哀れな少女は、絶頂に達することで、自らが変態だと認めてしまったのである。


「ああ、七世ちゃん、貴女も……」
 まだ小学生の我が子が、女として屈服された姿を眼のあたりにした恵子は、絶望の声を上げてすすり泣いた。
 それが女の性とは云え、禁断の悦楽を知った七世を、庄司達が放って置くわけがなかったのである。そして、それを裏付けるように庄司が残酷に言った。
「ははは、これでハッキリしたな……これでこの娘も、今日から俺様のセックス奴隷だ……」
 庄司は筆を置くと、勝ち誇ったように笑った。
「フン、よくも恥ずかしげも無く気を遣れるものね……これで判ったでしょ、あんたもあの恵子と同じ変態だって事が……」
 そして、茜はグッタリと俯く七世の髪の毛を掴んで虚ろな顔を起こさせると、その顔に向かって詰るように言った。
「あああッ……ううッ……うううッ……」
 七世は、もう否定する気力もなくなり、さめざめと涙を流すと、静かに泣き始めた。
「ハハハ、七世……お前が変態だったからと云って、落ち込むことは無いよ……もともと、お前は人間の子として生まれてきたわけじゃ無いんだからな……」
 そんな七世に、庄司は衝撃の言葉をはくと、先程まで恵子が座らされていたソファーに、ゆっくりと腰を下ろし、煙草に火を付けた。
「ヒィッ……庄司さん、そ、それだけは……」
 驚いたのは恵子の方であった。
 七世の出生の秘密。それを口にしようとする庄司に、恵子は慌てて叫んだ。
「なあに、今日から性奴隷として生きていくんだ……本当のことを知っている方が、諦めもつくってもんだろ……」
「フフフ、そうよ……あんた達は、ただ男を相手にする娼婦じゃなくて、虐待されながら犯される運命なんだから、自分が人間以下の存在だって事を判っていた方が良くてよ……」
 茜も冷ややかに言いうと、庄司から渡された鞭を片手に、恵子の方に寄り添って行った。
「お、お願いですッ……それだけは……その事だけは言わないでッ……」
 それでも恵子は、ブルブルと震えながら哀願した。
「うるさいわね……奴隷の分際で人様にお願いができると思ってッ……」
 ビシッ……。
 恵子の哀願は、茜の鞭で応えられた。
「ヒイイーッ……ううッ……うぎゃあああッ……」
 残酷にも茜の鞭は、乳房をなぎ払ったのだ。ただてさえ敏感な乳房に激痛が走る。
 たったの一打で、恵子は声も上げられなくなった。
「ああ、お母さんッ……」
 自分に加えられた責めが、ままごとのように思われるほど残虐な仕打ちに、七世が声を上げる。
『ううッ……酷いッ……奴隷ってなに?……人間の子じゃないって、どう言うこと……』
 次第にハッキリとしてきた意識と共に、庄司達の言葉を理解しようとしていた七世に、庄司が応えるように話し始めた。


 話は七世の母、恵子がまだ中学生の頃にさかのぼる。
 時は、バブル全盛の頃で、好景気に沸き立つ人々の中でも、苦渋を強いられる人間がいた。地上げの対象になって、代々生まれ育った土地を離れなければならなくなった人達である。
 都内で町工場を営む恵子の父の処も、住まいと共にあった工場が、地上げの対象になった。
 銀行から大幅な増資の確約を受けて、設備の拡張を行っていた時である。増産に見合うだけの受註も見込まれていたときであるから、いくら好条件を出されても、立ち退きには応じられなかったのだ。
 しかし、銀行からの融資そのものが罠であった。新しい設備が設置された途端に、融資の話は取り消され、約束手形で支払う予定であった資金が、調達できなくなったのである。一度目の不渡りを出した後、銀行は、それまでの融資額の回収を迫ってきた。
 設備費の支払いだけでもままならないのに、それまでの融資金まで払えるわけがない。もう一度不渡りを出せば倒産と言うところで、恵子の父はやむなく闇金融に助けを求めたのである。そして、それが地獄の始まりであった。
 多額の利子に、とうとう息詰まった工場は倒産し、銀行への返済は、担保として取られていた工場と住居を手放すことで済んだが、闇金から借りていた金は返す目処さえなくなったのである。
 夜逃げすら失敗した一家を捕らえたヤクザ達は、一家全員の体を臓器提供に差し出すか、娘を差し出すかの二者択一を迫った。
 恵子以外に、歳の離れた弟と生まれたばかりの妹を抱えていた両親は、血の涙を流して恵子を手放した。
 もちろん億にものぼる借金が、娘一人のソープ勤めぐらいで返せるわけがない。その時から恵子は、もっと高額な収入が得られるマゾ嬢として調教されたのであった。

「どうだ、これでお前の母親が、人間以下の存在だって事が判っただろう……」
「フフフ、それから、もう人間でなくなった奴隷の娘も奴隷だと云うこともね……」
 庄司と茜は、自慢げに恵子の生い立ちを話すと、七世に人として生まれてきた訳では無いという、因果を含ませた。
「ああ、ごめんなさい……七世ちゃん、ごめんなさい……」
 自分の過去を話された恵子は、すすり泣きながら娘に謝った。父親とは死に別れたと嘘をついてきたことではなく、そんな境遇で生んでしまったことを謝ったのだ。
「ううッ……お母さんッ……」
 これで母親の恵子が、とても人間とは思えないような酷い扱いを受けていたことが判る。しかも、奴隷の娘として生まれてきた自分にも、同じ運命が待っていることも……。
「ははは、哀れか、悲しいか……だが、こいつを哀れと思うなよ……こいつも両親や兄弟を捨てて逃げたのだ……人間以下の奴隷になった女は、畜生よりも情がないって事だ……」
 母や自分の運命を哀れむ七世に、庄司は更に残酷な過去を聞かせた。

 まだ中学生だった恵子がマゾ奴隷に墜ちて久しく、恵子の調教や虐待の模様を写し取ったビデオが摘発され、同時に庄司達も警察に捕まってしまったのだ。
 その時警察は、その実態まで掴めず、結局の処、裏ビデオの作成販売という罪にしかならなかったが、その手入れの時に、恵子は生まれたばかりの七世を連れて逃げ出したのであった。
 だが、その時には、恵子の両親や弟妹達は、恵子の人質として組に囚われており、恵子は家族を見捨てて逃げたことになる。
 残された家族がどういう目に遭ったかは、言われなくとも想像にできる。恵子の代わりに奴隷にされたのだ。
 母親だけでなく、自分とはさほど歳の離れていない叔父と叔母、そして祖母と呼べる人が、マゾ奴隷として生きていることに、七世は震え上がった。
「フフフ、あんたも恵子のように、母親や血の繋がった人間を見捨てて逃げても良いのよ……でも、小学生のあんたに、何処まで逃げられるかしら……」
 信じられない事実を聞かされた七世をさらに追い込むように、茜は残酷に言い放った。
 そんなことを言われなくても、小学生の七世に逃げることなどできはしなかった。しかし、これからの過酷な運命に自殺でもされてはと、釘を刺したのである。
「あああッ……そんな……そんな事ってッ……」
 死ぬ自由さえもない……。そしておよそ人間としての権利さえも剥奪されて生きて行かねばならない事実に、もう抗う気力も失せた七世は、ただ震えながら涙を流した。
 そして、そんな少女を吊り上げていた縄を、恵子が解くと、椅子にふんぞり返った庄司の前に連れて行き、
「さあ、自分の身分が判ったら、御主人様にこう言ってご挨拶するのよ……」
 と、奴隷としての挨拶を耳元で囁いた。
「ううッ……そんな……」
 何もかもが信じられない事実を聞かされて、もう考える力もなくなった七世ではあったが、いざ、それを認めて奴隷になる覚悟など、小学生の少女には無かった。
「そうか……それなら、もう一つ教えてやろう。お前の父親のことだ……」
 庄司は決心の付かない七世に、最後の切り札を出した。
「あああ……お願いよッ……それ以上は……うぎゃああ……」
 七世と同じように泣き震えていた恵子が、最後の力を出して叫んだ。しかし、その言葉も、茜の鞭でうち消されてしまう。
「お前の父親は、誰だと思う?……」
 恵子の悲痛な叫びなど無視して、庄司は目の前で蹲り震えている少女に囁きかけた。
「お前の父親は、こいつの親父……つまり、お前のおじいちゃんだ……大勢の客の前で、中学生だった恵子を実の親父に犯させて、種付けするところを見せ物にしてやったんだよ……ハハハ……」
 庄司の言葉に、泣き伏していた七世は、目を丸くして凍り付いた。
「うあああッ……あああッ……そ、そんなのッ……嘘よッ……嘘でしょ、お母さんッ……」
 七世は、狂ったように泣いて、母に問い詰めた。
 それだけは、信じられない、いや、信じたくない事実であった。自分が奴隷になることを運命づけられて生まれてきたことまでは認めることができても、生まれそのものが、見せ物の結果だったなんて、自分の全てを否定されることと同じであった。
「うあああッ……ごめんなさいッ……ヒイイーッ……七世ちゃん、ごめんなさいッ……」
 しかし、母の答えは、鞭打たれながらの謝罪の言葉でしかなかった……。
「ヒイイーッ……そ、そんな……」
 最後のよりどころまで失った七世は、そこまで叫ぶと、目を剥いて気を失っていった。
『夢よ……これは、夢なんだわ……』
 七世は、最後にそう思うことで、辛うじて精神が崩壊しきってしまうことを防ぐと、暗い闇の中に堕ちていった。
「あらあら、これじゃ、今夜は無理ね……」
 七世に奴隷としての挨拶をさせようとしていた茜は、少女が精神に障害を残すほどのショックを受けているにもかかわらず、気を失った姿を見て残念そうに言った。
「ああ、恵子も気を失ったようだから、今夜はここまでとするか……なあに、明日から、たっぷりと楽しめばいい……もう遠慮はしなくて良いんだからな……」
 と庄司は、茜に鞭打たれていた恵子が、口から泡を吹いて気を失っているのを見届けると、大きく背伸びをしながら立ち上がって、ベッドの中に潜り込んでいった。
「あ、ちょっと待ってよ……」
 吊り下げられた恵子の縄を解きながら、茜は言うと、気を失った母娘を床に投げ出したまま、庄司の待つベッドへと急いだ。
「ねえ、あなたぁ……」
「おいおい、今夜は勘弁してくれ……もう遅いじゃないか……」
「そんなこと言わないでよッ……あいつらの泣き顔を見て燃えてるんだからぁ……」
 悪魔達のまぐあいが始まろうとするすぐ傍で、気絶した母娘は、夢の中でもうなされていた。
 そう、悪夢という正夢の中で……。


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